当院では妊娠30週前後でも胎児超音波検査を行っています。
妊娠後期でも確認する部位は、妊娠初期や中期とあまり変わりはありません。その為、時間も同様に30分前後かかることが多いです
妊娠30週前後では中期と同様に胎児の構造学的な異常がないかどうかを診ていきますが、それ以外にも胎盤の機能が問題なく、胎児の成長が順調かどうかも評価します。妊娠中期の時点では、成長の問題は出てこないことが多いので、子宮動脈の血管抵抗を確認してはいますが、妊娠後期に胎児の計測をすることで成長が順調かどうか、また、胎児の血流を評価し問題ないかどうかを確認しています。
構造的な異常としては、頻度は多くありませんが、胎児の腫瘍や、一部の骨系統疾患などが診断されることがあります。また、妊娠の経過中に症状が進行し、形態的な変化がよりはっきりしてくるものもあります。その為、中期では診断はされず、後期で診断されるものもあります。
妊娠後期では中期と比較して胎児の骨格がよりしっかりとしてきます。胎児の骨の影響により、超音波が見えずらいことがあります。特に、妊娠後期では胎児はお母さんの背中側を向いていることが多いため、顔や心臓などがみることが難しいことがあります。また、逆にお母さんのおなか側を向いているときは仙骨部位の確認が難しいときもあります。また、妊娠後期では中期と比較して胎児の周囲のスペースが相対的に狭くなっていますので、手足の確認も難しいことがあります。
上記のように初期や中期の胎児超音波検査と同じように妊娠後期の胎児超音波検査にも特徴や限界があります。その為、それぞれの検査の特徴を確認して頂き、受検して頂ければと思います。何かご質問などがありましたら、当院までご連絡いただければと思います。